古くならずに深くなる〜郷愁を漂わせる洋館へ想いと 愛着のあるオウチStoryをお伺いしました。

 

ニセコひらふスキー場のすぐそばに、瀟洒な建物が並ぶ別荘地サンモリッツヴィラⅠがあります。ファミールイン『Ramina』(ラミーナ)は、手前の入り口から少し上ったところ、深いグリーンの看板が目印です。 オーナーの藤峯俊一さんが長年の夢を叶えてラミーナを開いたのは2002年の11月末。大切にしたのは、「明るく、風を感じて、人が優しくなれる場所。木の香りがする、和と調和した造り。 そして人が生活するという感覚」。俊一さんの描いた理想とHOPの技術が出会い、和と洋が絶妙に融合したなごみの空間が生まれました。

テーブル席とカウンター席は、木の柱がパーテーションの代わりになり、うまく区切られている。天気のよい昼間は、ここでのんびり時を過ごす人も多い。ゆくゆくはサロンコンサートなども開いていきたいそうだ。

細部にまでこだわったため、オープンまでには大変な苦労があったと俊一さんは言います。例えばダイニングルームのカウンターやテーブルの高さ。 「実際に使ってみて、心地よい高さにしたかったので、かなり細かく注文しました。カウンターは普通より低目の85cmにしたので、奥を掘り下げていますし、それに合う椅子を探すのも一苦労でした。各部屋に置かれている調度品類も、建物にふんだんに使われている無垢の天然木と調和するようにと選び抜かれたものばかり。 サイドテーブルなどは、「ぜひとも天然素材で」と、HOPの設計担当者がこだわった場面もありました。設計段階からそうしたこまやかなやり取りを続ける中で、俊一さんは、HOPの建物作りにかける情熱を感じたといいます。「期待した以上の提案をしてくれるという信頼感がありました。「ラミーナの隅々には僕たちとHOPの思いが生かされています」

奥様の明美さんが作る和食中心のメニューには、北海道の旬の食材が存分に使われています。取材に伺った日の献立の一部は、「網走産キュウリの一夜干し、ニセコ産ゆり根の茶碗蒸し、中札内地鶏のゆず胡椒焼き」。これらの献立に、俊一さんが握る寿司が必ず加わります。 「宿泊された方のお名前、その時に食べていただいた料理を記録して、次にいらした時には別な献立を楽しんでいただくようにしています」(明美さん)。という細やかな気づかいもうれしいところです。 将来は地元の農家から、収穫したての農産品を直接分けていただいて、献立に生かしていく予定もあります。

夕暮れの中、温かな光のもれるダイニングルーム。春には手前のウッドデッキにバードテーブルを作って、野鳥観察もできるようにする予定です。

階段上に設けられた、大きな窓。2階の廊下からはこの窓が額縁になり、羊蹄山がまるで絵のように見える。

和へのこだわりから、ベッドにも和布団を使った。「納得のいくものを、自分たちでひとつひとつ探しました」と俊一さん。

車椅子の方でも不自由なく過ごせるバリアフリールームや、和室付きのコンドミニアムなど、ルームタイプは三種類。 ゆったりとしたレイアウトには、訪れる人への思いやりが込められています。アイヌ語の「ラム」(心)と「ミーナ」(微笑む)から名付けられた『Ramina』。その名のとおり、心がふわりと優しくなるおもてなしが待っています。

薪ストーブの置かれたエントランス脇。かわいい眠りネコがここの主人。ほんのりとした温もりを感じながら、読書にふけるもよし、語るもよし。

オーナーの藤峯俊一さん、明美さん夫妻。羊蹄山とひらふスキー場を望むロケーションが気に入っている

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